重かった…

本自体もですが、内容も。

出星前夜

出星前夜


今まで「島原の乱」というと単にキリシタン農民の反乱だと思っていました。
ですが、内実は幕藩体制を固めるための政策が庶民の生活にまで負荷をかけ、耐えきれなくなったと。たまたま土壌としてキリシタン信仰が厚い地方だったから宗教一揆としての顔も持ってしまった。「天草・島原の乱」とひとくくりにされるけれど、それもまた正しくはないのですね。
そもそもたかだか2万数千の農民相手に、何万もの武家が討伐できなかったのかと疑問に思っていましたが、統一された意志ではなかったというなら納得です。
私はどちらかというと宗教というものに不信を抱いているので、一向一揆キリシタン一揆に対しても冷たい目で見ていました(民衆史より政治史のほうが好きだったのもある)
そんな心を覆した作品です。島原に行ってみたい。